未利用魚とは?未利用魚の問題点・種類・活用加工法まで専門家が解説

未利用魚とは?未利用魚の問題点・種類・活用加工法まで専門家が解説

未利用魚とは?未利用魚の問題点・種類・活用加工法まで専門家が解説

未利用魚

未利用魚の加工・通販をしている、未利用魚サブスクFishlle!(フィシュル)です!

女性

未利用魚ってどんな魚なの?

未利用魚は品質に問題ないの?安心して食べられるの?

こうした疑問にお答えします。

この記事の監修者

フィシュル店長井口

井口剛志(いのくち つよし)

株式会社ベンナーズ代表取締役。実家は祖父母の代から続く水産加工業。未利用魚を活用したサブスク「Fishlle!(フィシュル)」を立ち上げ、未利用魚と魚のフードロス問題解決のため、全国各地の港を奔走。特技は三枚おろし。年間40トンの魚を扱っており、未利用魚の専門家でもある。

ダイヤモンドオンラインFNNプライムなど多数のメディアで取材しています。

結論、未利用魚とは形が悪かったり傷がついていたり、出荷する相当数数が揃わなかった(十分な水揚げ量がない)等の理由だけで、価値がつかず市場に出回らないもったいない魚のこと。

でも実際は、未利用魚は味も鮮度も抜群。おいしくて安心・安全。市場場に出回るものと遜色のない「立派な魚」なのです。

では、そんな未利用魚の何が問題で、どんな種類の魚があって、どんな加工がされているのか?

未利用魚の専門家である当社が徹底解説します。

1.未利用魚とは?

未利用魚

未利用魚とは、 形が悪かったり傷がついていたり、出荷する相当数数が揃わなかった(十分な水揚げ量がない)等の理由だけで、価値がつかず市場に出回らないもったいない魚のことです。

※冒頭でかいたとおりです。

廃棄される以外では、漁師さんが食べていたり、水揚げされた地域のみで消費されていたり等するのみ。

こうした”もったいない魚”たちのことを「未利用魚」と呼びます。

未利用魚には、普通に生活していれば決して出会うことのできない珍しい魚が多く、鮮度も味も抜群なのが特徴。

「普通に暮らしていれば食べられない、美味しくて貴重な魚との出会える」という魅力もあるんです。

ちなみに、水産庁では以下のように定義しています。

魚体のサイズが不揃いであったり、漁獲量が少なくロットがまとまらないなどの理由から、非食用に回されたり、低い価格でしか評価されない、いわゆる「未利用魚」が発生。

引用元:https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/h21/pdf/g_topic.pdfより一部抜粋

事実、私たちが主に仕入れをしている港でも、出荷できず未利用魚として廃棄されている魚は多いです。

上記はまさに、廃棄されてしまう予定の魚の写真です。

味も鮮度も抜群なのに日の目を見ない、本当にもったいない魚なのです。

未利用魚の割合は実に多く、なんと総水揚げ量の30%~40%が未利用魚とされています。

未利用魚は「低利用魚」とも呼ばれている

ちなみに、未利用魚は「低利用魚」とも呼ばれます。

厳密に言えば未利用魚と低利用魚は違うものなのですが、価値がつかない、市場に出回らないことから転じて、低い利用率の魚ということで「低利用魚」と呼ばれます。

2.未利用魚が「未利用」になる理由

では、具体的に未利用魚はどんな理由があって「未利用」となるのでしょうか?

魚種によって理由は様々ですが、主に下記のような理由で値段・価値がつかないためです。

  • サイズが小さい
  • サイズばらつきがあって規格に入らない
  • 形が悪かったり、傷がついていたりする
  • 水揚げ量が少なく数が揃わないので商品にならない(買い手がつかない)
  • 刺し網漁などで、意図せず獲れてしまう
  • 内蔵が臭い、毒針を持っていたりなどで加工に手間がかかる
  • 食べられる部分が少ない
  • 見た目が良くない(美味しそうでない)
  • このあたりは魚種によってそれぞれ異なりますので、詳しくは未利用魚の一覧(魚種)をご覧ください。魚種ごとに詳しく理由をまとめています。

    では、未利用魚となる理由についていくつか代表的なものをもう少し詳細に解説していきます。

    サイズが小さい

    未利用魚となる理由の最も代表的な理由がこれです。

    たとえば小さいサイズのアジは「豆アジ」と呼ばれ、30cm未満のサバは細長いことから「ろうそくサバ」と呼ばれたりします。

    こうした魚は漁法によっては一気に大量の数が獲られますが、サイズが小さくても骨はしっかりあるので、加工の仕方はふつうのサイズのアジ・サバと同じです。

    つまり、加工の手間がかかる割にはも食べられる身が少ないので、値段(価値)がつかずに市場に乗らず、利用されません(=未利用魚)。

    フィシュル店長井口

    とはいえ豆アジ、ろうそくサバが捨てられるかといえばそうではなく、豆アジは魚を寄せるためのエサとして漁に使われ(サビキ釣り)、ろうそくサバは洋食まぐろのエサとして使われます。

    私たち人間が食べないからといって必ずしも捨てられるわけではなく、こんな使われ方もあるんです。ですので、未利用魚がすべて捨てられる魚なのかというと、そうではないんですね。

    サイズにばらつきがあって規格に入らない

    次に、小さいだけではなく「サイズのばらつき」もよくある理由のひとつだったりします。

    市場では魚を買い取るために規格が定められています。野菜や果物に規格があるように、魚にも同様のものがあります。

    たとえばタイの場合、「2kgのタイが5匹で10kg」がひとつの単位となっています。

    ひとつの箱に同一サイズのタイを入れ、それに対して値段がつくんです。

    フィシュル店長井口

    この規格から外れてしまい、サイズの揃わない魚のことを「はんぱもの」と呼んだりして、未利用魚となってしまいます。

    ですので、こうしたサイズからもれた「はんぱもの」の色々な魚4~5種類をひとつの箱に入れて安値で市場に出されたりするんですが、なかなか売れません。

    その理由は、使いづらい、加工がしづらいからです。

    たとえばスーパーでは魚種ごとに表示シートを作成しなければなりませんが、魚種が増えるごとにそれを作らなければならないので手間がかかります。

    飲食店でも、だいたいは決められたメニューがあって、それに合わせて魚を仕入れるので特定の魚種に偏るのではんぱものの詰め合わせは使いづらい、というわけです。

    フィシュル店長井口

    そんな事情から、最近では市場では「はんぱものは持ってこないで」と言われてしまうことも多く、捨てるか、産地で漁師さんたちが食べるしかないのです(サイズが小さいだけで味は本当に美味しいのに)

    3.未利用魚の問題点

    では、未利用魚の何が問題点なのでしょうか?

    当社が考える問題点は大きく2つです。

      1.水産資源・食料の損失(もったいない)
      2.漁師さん等、漁業従事者の収入減少

    では、順番にもう少し詳しく解説していきます。

    1.水産資源・食料の損失(もったいない)

    第一に、もったいないということ。

    以下は水産庁の発表している2019年度版の「水産白書」から引用したデータです。

    これを見ると、近年の日本国内の水産資源がいかに少なくなっているのかがわかります。

    未利用魚・水産資源グラフ

    日本の漁獲量は1984年の1282万トンをピークに減少し続け、1989年を機にガクンと落ち込んでいます。

    そして、2018年には442万トンとピーク時の3分の1しかありません。

    こうした状況に鑑みると、漁獲量のうち30~40%を占める未利用魚がいかにもったいないのかがおわかりになるかと思います。

    2.漁師さん等、漁業従事者の収入減少

    もうひとつの問題は、漁業従事者…特に漁師さんの収入が減少してしまうという点です。

    漁業従事者の皆さんは、魚を獲って売ることで収入を得ています。

    つまり、未利用魚が増えることはそれだけ本来得られるはずの収入が減ってしまうということを意味します。

    30~40%が廃棄されるということは、単純計算で3~4割の収入が減っているようなものです。

    逆に言えば、未利用魚を上手に活用することができれば、漁師さん等、漁業従事者の収入を増やすことができるといえるのです。

    4.未利用魚の種類

    未利用魚

    未利用魚には色々な種類の魚があります。

    あなたがよく知る魚から、地元の人しか知らないような魚、漁師さんしか知らない魚まで多数。

    私たちが取り扱っている未利用魚の種類(魚種)は下記のようなものがあります(ほんの一例です)

    • アイゴ
      イラ
      マトウダイ
      コショウダイ
      ニザダイ
      ボラ
  • たとえば「アイゴ」は当社で最もよく扱う魚のひとつなのですが、先程書いたように、毒針があったり、内蔵が臭いからなどの理由で未利用魚となってしまうのです。

    たとえどんなに美味しい魚だとしても…。

    その他、未利用魚の種類と、それぞれの魚がなぜ未利用魚になってしまうのか?どんな食べ方がおいしいのか?等は、下記リンクで詳しく解説しています。

    未利用魚の一覧:未利用魚の種類は?名前と未利用魚になる理由を解説

    ぜひ合わせて読んでみてくださいね!

    5.未利用魚の加工・活用法

    ここでは私たちの行っている「未利用魚の加工・活用方法」をご紹介します。

    私たちFishlle!(フィシュル)は、

  • 水揚げしたその日に加工し瞬間冷凍
  • 魚の種類・状態に合わせた最適な味付け
  • という加工方法を取っているため、圧倒的鮮度感かつ最も美味しい食べ方で未利用魚をお届けできます!

    では、どんなフローで加工しているのか、ここではその一部始終を写真つきでご紹介します。

    ①水揚げしたその日にすぐに鱗取り

    未利用魚処理

    港で水揚げされた魚が納品されたら、即日加工します。

    まず最初の行程は、とりです。

    鱗とりをする理由は、食べたときの食感の良さと、雑菌を取り除きれいな状態にしてから捌く意味があります。

    ②内蔵を丁寧に取り除く

    鱗を取ったら、続いては内臓を取り除く作業です。

    水揚げされた魚は、内臓から血やアニサキス等の寄生虫が身にうつってしまい、どんどん鮮度が落ちてしまいます。

    そのため、内臓を素早く取り除くことで鮮度を保つ必要があるんです。

    ③三枚におろす

    未利用魚三枚おろし

    内蔵を取り除いたら、頭を落として三枚おろしにします。

    1匹1匹、熟練の技で素早く丁寧にさばいていきます。

    加工を担当する職人は、福岡市内の飲食店で20年以上にわたって「未利用魚を使った食事」を出してきたお店のスタッフが担当。

    いわば「未利用魚のエキスパート」なので、素早く、かつ最高の状態に加工していきます。

    ④未利用魚の種類に合わせて加工する

    未利用魚味付け

    続いて、いよいよ味付けの行程です。

    味付けは未利用魚の種類、脂乗りなどの状態に応じて、臨機応変に加工法を変えます。

    たとえばサイズの小さいタイはオリーブオイルに漬けてカルパッチョ等に。ワカナゴやブリ幼魚は味噌漬けにします。

    ちなみに、使っている調味料は基本九州産。

    すべて生産者さんがこだわりを持って作っている安心の調味料で、これ以外には着色料や保存料などは一切使用していません。

    お子さんにも安心して食べていただける安心・安全な原料にも徹底的にこだわっています。

    ⑤パッキング

    味付けしたものをパッキングしていきます。

    魚のイラストと、味つけ・フレーバーごとに色味を変えたオリジナルのパッケージに入れていきます。

    こちらのパッケージはご家庭用としてはもちろんですが「ギフト用」としてかわいいと好評をいただいています!

    ⑥瞬間冷凍して加工完了!

    パッキング後は「瞬間冷凍」します。

    この「瞬間冷凍」がポイントで、一般的な冷凍方法だとゆっくり冷凍していくので魚の鮮度がおちてしまいます。

    そのため、10分~15分という短時間で瞬間的に冷凍します。

    この瞬間冷凍法は、魚の細胞が破壊されづらく身からうまみが逃げていきづらいため、鮮度を保つことができます。

    以上6つの行程を経て、Fishlle!(フィシュル)の未利用魚加工品はつくられます。

    ※上記の、一連の未利用魚の加工法は、また別のページでより詳しくご紹介する予定です!

    6.未利用魚の通販・サブスクならFishlle!(フィシュル)がおすすめ

    上記のような工程を経てつくられるのが私たちFishlle!(フィシュル)のミールパックです。

    原料にも加工法にも徹底的にこだわった「天然未利用魚のミールパック」をご自宅までご希望の月だけお届けします。

    毎月お届け or 2ヶ月に1回のお届けで、価格は以下のとおりです!

    • 6パック ¥5,390(税込)
      10パック ¥7,980(税込)
      16パック ¥11,000(税込)
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